か・き・つ・ば・た [展覧会・ギャラリー]
久々に東京・南青山の「根津美術館」へ立ち寄りました。
ここは東洋古美術品を収蔵する私立美術館で
毎年この時期には、同館が所蔵する
国宝「尾形光琳の燕子花(かきつばた)屏風図」が
5/12までの1ヶ月間、特別展示され
多くの愛好家で大変賑わいます。
世界的建築家・隈研吾氏がリニューアルに携わった
同館の広々としたロビーは、全面ガラス窓越しに
緑滴る日本庭園が圧倒的迫力で映し出される
という、私好みのインスタ映えな景観なんです。
古代中国やインド・ガンダーラ出土の
趣きある石仏を眺めながら
期待の燕子花図の展示室に足を踏み入れると
そこは「寿ぎ(ことほぎ)の江戸絵画」の世界。
「燕子花図屏風」前に用意されたソファーに
腰を掛け、夢見心地で対面する和服姿のご婦人も。
江戸時代を代表する天才絵師・尾形光琳が
手掛けた国宝「燕子花図屏風絵」は
総金地に濃淡の群青色と緑青色だけで描いた
屏風(縦151x横358cm)2枚で構成。
リズム感のある単純化した構図で
まさに絵画性とデザイン性の見事な融合。
これが江戸時代の作とは驚くばかり。
現代アートにも通じる大胆な技法では?
(内部は撮影禁止なのでパンフより抜粋)
同館の更なる魅力は、傾斜地形を利用して構築された
趣きある日本庭園で、ここが都会のど真ん中で
あることを忘れさせるほど。
迷路のように巡らされた狭い散策路を進めば
絶妙に配置された年代物の灯篭や苔むした石像や
石碑などが、目の覚めるような新緑やツツジなどと
相まって、スペシャルな景観を呈しています。
坂道を下り切ると
カキツバタの植栽された池があるのですが
残念ながらまだ開花には早かったようです。
参考までに、2016年に行った時には
ちらほらと咲き始めておりました。
国宝の屏風絵と植栽されたカキツバタの両方を
同じ美術館で見比べられるなんて
贅沢と言うか、粋な気分になりますよね。
仕上げに、庭園を眼下に見渡せる
「Nezu Cafe」で休憩したかったのですが
長い行列ができていて〜とても無理。
後ろ髪引かれる思いで美術館を退出しました。
ところで現実にかえって
ショウブとアヤメとカキツバタの見分け方
分かるかなあ?