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日本古代史の謎「ヒルコ」 [読書・音楽・映画]

古代史ファンの私にとって、古事記や日本書紀は愛読書。

不思議だらけの内容ですが、中でも最も有名な場面”イザナギ(男神)とイザナミ(女神)が、天の御柱を巡って国生みをする過程”で、最初に産まれたのが障害を持った子ども・ヒルコ(水蛭子)だったため、葦舟に乗せて海に流してしまった・・という記述があります。

(詳しくは、下記の古事記現代版要約をご覧あれ)

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伊邪那岐は左回りに、伊邪那美は右回りに天の御柱を巡り、出会った所で伊邪那美が「あなにやし、えをとこを」と伊邪那岐を褒め、伊耶那岐が「あなにやし、え娘子(をとめ)を」と伊邪那美を褒め、二神は性交する。しかし、女性である伊邪那美の方から男性の伊邪那岐を誘ったために、ちゃんとした子供が生まれなかった。二神は、最初に産まれた子供である水蛭子(ヒルコ)を葦舟に乗せて流してしまい、次にアハシマが産まれた。水蛭子とアハシマは、伊邪那岐・伊邪那美の子供の内に数えない。

二神は別天津神のもとに赴き、なぜちゃんとした子供が生まれないのかを聞いた。すると、占いによって、女から誘うのがよくなかったとされた。そのため、二神は淤能碁呂島に戻り、今度は男性の伊邪那岐から誘って・・・。


古事記や日本書紀の記述はあまりにも謎だらけですが、私は前々から、尊い夫婦神から産まれた第一子が不具であるなら隠せばよいのに、何故そこまで詳しく記述する必要があったのか? 非情にもどうして親神に捨てられてしまったのか? その後のヒルコの運命はどうなったのか?など疑問に思っておりました。重大な事実を隠そうとして無理なこじつけをしているのでは?と。

ところが私と同じ疑問を持って、資料の乏しい古代史を長年研究してきた方がおられたんです。先日ツタヤでこんな新書を見つけ、迷わず購入してしまいました。(税抜;1900円)

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現役の神官でもある著者の戸矢 学さんが、長きにわたる考証の末に辿り着いた結論、それは「ヒルコの正体とは反体制側の猛神・スサノヲ」のことでした。

それにしても日本の古代史にはあまりにも謎が多過ぎます。古事記や日本書紀の成立以前に、時の権力者たちによって、都合の悪い文書は焚書され、歴史が巧妙に改ざんされてしまったようです。なので日本の古代史を調べようにも古文書が残っておらず、中国の歴史書の中から僅かな手がかりを求めるしかありません。(涙)

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私にとって古代史とは、推理小説と同じく謎解き。

猛暑の続く中、毒にも薬にもならない謎解きで、少しは脳ミソの活性化に役立ったかも?


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