い賓閣と幕末の那珂湊 [歴史・レトロ・旅行]
江戸時代、水戸藩の御用港として隆盛を極めた
那珂湊の歴史を紹介する展覧会が
和田町の那珂湊支所内展示室で開催されています。
会場となるのは合併前の旧那珂湊市役所敷地に
昨年オープンしたばかりの那珂湊支所。
2年前にはコミュニティギャラリーで初めて開催され
私も担当スタッフとしてお手伝いさせて頂きました。
支所に入るのは今日が初めて。
建物は2階建で、1階の右側が展示室となります。
展示室は2階まで吹き抜けとなっており
大型の展示品を搬入可能とするため
巨大な扉(写真右端黒い部分)が設けてあります。
展示内容は「い賓閣」「反射炉」「天狗党」の
3部門からなっており
那珂湊の繁栄と激動の歴史を紹介するもの。
「い賓閣」は、かつて湊公園に存在した水戸藩別邸で
幕末の「天狗党の乱」で惜しくも焼失。
これを惜しんで現在、那珂湊地区有志による
「い賓閣復元研究会」が精力的に活動しており
今回の展示を主催したもの。
また大砲を作るために
水戸藩の命により建設された「反射炉」の資料も。
こちらは反射炉建設を託された地元の若き棟梁
飛田与七の直筆による図面だそうですが
よくぞ散逸せずに残っていたもの。
圧巻なのは天保年間に造られたという
「常陸湊村町内別明細絵図」(複製)で
屋敷の戸主名や寸法が一軒、一軒書き込まれ
神社仏閣には鎮守の森まで描かれた精密なもの。
イメージを膨らませて現在の町割りと比較していたら
いつのまにか江戸時代の那珂湊に
タイムスリップしたような気分になりました。
この他、那珂湊を主戦場に
熾烈な戦いが繰り広げられた「天狗党の乱」の
詳細な資料もあり、歴史マニアの一人として
興味津々で見入ってしまいました。
今年は「湊八朔祭」が8月末に開催されるそうですが
祭終了後には、山車やささらなどの大型展示品が
こちらの展示室に展示されるとか。
市内中根には古代遺跡から出土した文化財を
保存・公開する「埋蔵文化財センター」がありますが
近世〜幕末の資料を保存・公開する施設は
ありませんでした。
これからは、那珂湊支所展示室が役割を
担ってくれることでしょう。
2019-05-25 19:16
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